Qbilinux 日記

Linux に関係することだけではなく,最近は一般的なコンピュータやガジェット関係についても記載してます.

グラフィックボードを入れ替えようと思ったら結局 PC 丸ごと入れ替えに

開発用に使っている PC ですが,たまにやっているビデオ編集がわりときびしいなぁと思い立ち.

グラフィックボードは NVidia RTX 3060 12G を使っていましたが,編集は割とサクサクできているけど,エンコードにちょっと時間がかかる.NVEnc なハードウエアエンコードを使っているんだけどね.

で,いっそのこと RTX 4xxx シリーズに入れ替えようかなと.

ちなみにその時点のマシン構成は

  • Ryzen 9 3900
  • 空冷ファン虎撤
  • B550 mini-ITX マザー
  • DDR4 32G x 2
  • RTX 3060 12G ITX
  • 普通の mini-ITX ケース (RAIJINTEK METIS CLASSIC)
  • 850W SFX 電源

普通の mini-ITX ケースなので強力なグラボ = 大きなグラボは当然入りません.
ってことで,PC ケースとグラボを発注.

選んだのは MSI GeForce RTX 4070Ti VENTUS 3X 12G OC と PC ケース HYTE Revolt 3

ケースは最近流行りの煙突形の方が底面積が小さいわりに大きなグラボが入るので HYTE Revolt 3 にしてみました.

4070Ti を選んだ理由は金額的にはこのくらいまでが限界かなというところと,このケースに入る限界サイズギリギリがこれかなということで.

4070 にすると NVEnc が1個になるので 4070Ti にしたっていうのもあります.Ti だとNVEnc 2個になるのでね.

で,とりあえず組み立てようとしたら,これまで使っていた空冷の CPU ファンが高さがありすぎて入らない.そこまで考えていなかった....

仕方なく,どうせなら簡易水冷にしようかなと思って NZXT Kraken X63 (280mm) を購入.

取り付けしたら狭い....

ケースの取りつけられる最大ファンサイズが 280mm だったので,ファンが大きい方が良く冷えるかなと思って 280mm を選んだけど取り付け余裕が少なすぎ.240mm にしておけば良かったなと思っても後の祭り.

その影響もあって,グラボ用電源が想像以上に大きくて入らない.8pin x 2 から 12VHPWR 変換コネクタが巨大すぎる.4070Ti は 12VHPWR 電源コネクタなんですよね.けど,今使ってる電源には 12VHPWR コネクタがなく直接繋げないので変換が必須.

うーむ.

電源を 12VHPWR 対応のものにすれば,変換が必要なくなってケーブルの取り回しがよくなるかなと 850W 12VHPWR 対応の SFX 電源も購入.購入したものは SilverStone Extreme 850R Platinum.ATX 電源はサイズ大きすぎなので選びませんでした.

これで一通り組み上がり.

ふう.

それから1ヶ月ほど使っていましたが,たまに使っている Windows 11 が安定しない.動作としては1日数回突然電源が落ちる.

うーむ.電源は新品なので問題ないはず.また,デュアルブートで使っている linux で使っていれば全然安定していて数日動かしっぱなしでも問題ない.

ということで Windows 11 が怪しいのかなとクリーンインストールしてみましたが,インストールしている途中でも電源が落ちる.bios の設定をいろいろといじってみたけど,Resizable Bar を ON にすれば少しは落ちる頻度は減るけどそれでも少し安定する程度で何度か使っているとやっぱり落ちるので根本解決にはならず.

もうこれは相性問題っぽい.

ここまできたら CPU も取り替えてしまうかということで下記も購入.

linux 開発のメイン環境なので thread 数が大事なので intel CPU にする選択肢はなく上記構成の選択しないかなと.マザーはグラボメーカーに合わせた方が相性問題も出なそうかなと MSI の ITX を選択.

この時点でほぼ全取っ替え状態に.HDD, SSD だけ辛うじて使い回し....

組み立ててようやく Windows 11 も安定動作しました.

ただ,こんどは逆に自作の linux 環境がブートしなくなってしまいました.使っていた firmware とかが古いからかな.debian の方は大丈夫.ブートもできるし,普通に使える.

ということで debian からブートして自作の linux 環境の方を手作業でリカバリ.ようやく環境復活.

ふう.

この間,3ヶ月程度.トータル4ヶ月くらい.

ちなみにマシンはこんな感じ.

内部はセマセマ.

簡易水冷のファンが水冷ケーブルに当たってしまいそうだったので,ファンのガードとかをつけてあります.

持ち運び用の取手がついているのは便利ですね.

また,横につきでているのはヘッドフォン用のハンガーです.ハンガーが不要であれば収納できます.

ケース全面の USB-C は背面コネクタにケーブル接続したものを延長する形になっています.

普通の横型(?)の ITX ケースと違って煙突型なので,高さはあるけど設置面積が少ないのでこれまでよりはデスクが広くなって快適になりました.

簡易水冷にしたけど,以前使っていた空冷ファンと騒音レベルはあんまり変わらないかな.

ここまで内部がびっちりだと SATA ケーブルがじゃまになりますね....

ちなみにこのケースは 3.5 x 1, 2.5 x 2 の HDD/SSD が入ります.ということで,3.5 HDD x 1, 2.5 SSD x 1 を入れています.

そろそろ HDD も引退させて SSD only にした方が良いのかなと思ったりもするけど,HDD は壊れる前兆がなんとなく分かるけど,SSD っていきなり壊れることがあるから不安なんで今はまだ HDD と SSD を併用しています.SSD が壊れたときには,あるとき突然読めなくなってデータも吸い出せずに...って感じでしたので.HDD が壊れたときには,何となく読み書きが遅くなっているなぁとか,変な音がたまにしてるなぁとかって前兆がありましたから.

それから3ヶ月ほど (組み換え始めてからだと7ヶ月くらいかな) 経っていますが,Windows も linux も突然再起動することなく問題なく安定して動作しています.はい.

当初の目的だったビデオ編集環境ですが,結果的にはあんまり改善しませんでした.

3060 から 4060Ti に交換しましましたが,それほどハードウエアクロックは上がっていないので NVEnc は体感 1.2 倍くらいの速度アップくらい.4060Ti はエンコーダー2個積んでいますが,普段使っている編集ソフトの TMPEG Mastering Works はエンコーダーを2個同時に使ってくれないみたい.

設定が悪いのかと思っていろいろといじってみたけど状況変わらずだったので,PEGASYS のサポートに質問してみたら,マルチコアの NVEnc ハードエンコードには対応していませんだって.がっかり.

PEGSYS ソフトでの対応予定は聞いていませんが,時間的に余裕のあるときにマルチコアの NVEnc ハードエンコード対応しているソフトは他にないのかちょっと探してみないとなと思っています.

たまにやる Windows でのゲーム環境の方はかなり快適になりました.3060 だと解像度は FHD にしておいた方が良いかなって感じでしたが,4070Ti だと画質最高設定にしても 4K で快適に動作しますね.たまに重たいものだと WQHD にしておいた方が良いかなというものもありますが,大体自分の場合は 4K で使っています.

一方,linux の開発環境の方はコンパイル速度は体感で 1.5 倍くらいに上がったかなという感じ.かなりスペックが上がった印象.第3世代の Ryzen からでもこんなに変わるんですね.まぁ,足回りも DDR4 から DDR5 に変わった影響もあるんでしょうか.

linux ディストリビューション全体をフルビルドかけても数時間で終わるかなといった感じかな.

簡単ですけど PC 入れ替えの経緯と感想とかはそんな感じ.

予想外に,ほとんど全部のパーツを入れかれることになってしまいましたが,割と満足.

この構成なら5年ほどは問題なく使えそうだし.(もっと使える?)

ただ,写真を見てもらえば分かりますが,後々あんまり中身を触りたくはないですね.パーツ交換しようとするといろいろと大変だし.

まぁ,費用はかかったけど,これまで使っていたパーツを下取りに出せばそこまで大きな出費にはならなかったかな.12VHPWR SFX 電源が思ったより高かったのが一番予想外だったけど...

ちょっと前の話ですが,開発用 PC を入れ替えた話を書いてみました.